トピックス 2002年 4月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(225)
健康保険一律3割負担の改正は、戦後作られた社会保障制度の崩壊の予兆である。

 国民保険制度も経済情勢がインフレ傾向の場合には、何等支障もなく機能していましたが、この10年デフレ現象が続いていることと、少子高齢化のため組織を完全に改革しなければならないようになってきています。今回の改正であまりにも不公平な改正は自営業者の加入している国民健康保険と中小企業一般が、強制加入しなければならなくなっている政府管掌健康保険の保険料が余りにも大きな差が下記の通り倍以上の負担になっています。従来であればサラリーマンの医療負担が当初は1割で良かったのが、2年くらい前から2割に負担増になり、今回の改正で3割となり、さらに政管健康保険の料率が、7.5%から8.2%に引上げされ、社会保険料負担は倍以上です。
 少く支払っている国民健康保険の加入者と、取扱いが平等であるのはあまりにも不公平です。サラリーマンの人は、給与から保険料を天引きされていますので実質負担増になることは、以外に認識が薄いかも知れませんが、中小企業の経営者は、天引きされた保険料の倍額を社会保険庁に支払っています。その結果、中小企業の経営において不況の長期化によりこの社会保険料の負担増のために、解散、倒産にと追い込まれている企業も生じているくらいです。
 このことは健康保険だけでなく、厚生年金も加入者が少なくなっている事由から、この保険料の増改のため、年間60万円以上支払っているパートの人までにも強制加入にと改正され、さらに今年度4月より昭和12年1月1日以降の人には65才になっても一定の所得(月額32万円)以上の人は、70才まで厚生年金を受領しながら厚生年金をまた払い続けなければならないように改正されています。
 以上の事由から、中小企業経営は社会保険料の負担増は大きな問題です。都市に銀行の融資は望めず、銀行等の経営は、大企業の倒産、中小企業の倒産等により、多大な不良債権を抱えてしまい、政府金融機関しかない状態になっているため、ますます悪化の一途をたどっています。そこで経常を節減し、この不況を生き残るためには、この社会保険の加入を取消し、やむなく国民健康保険や国民年金に社員を移行せざるを得なくなっている状態です。
 この様な現象は、今後ますます多くなって行くものと予想されます。

給与月額100万円、年間1,200万円の場合の健康保険料及厚生年金の負担額
    政管健康保険の場合(40才〜65才)
    月額  93,982円   年額 1,127,784円  この2分の1は会社負担
    自己負担 563,892円会社負担 563,892円

    厚生年金の場合(40才〜65才)
    月額 107,570円   年額 1,290,840円  この2分の1は会社負担
    自己負担 645,420円会社負担 645,420円

    国民健康保険の場合
     保険料は市町村によって最高限度額は異なりますが、東京都の場合1,200万円
    の所得の自営業者であれば最高限度額53万円です。

    国民年金の場合
     定額で月額13,300円  年額159,600円です。