トピックス 2002年 7月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(228)
中小会社の計算書類の公開制度の改正

 平成14年4月1日より中小会社の計算書類の公告(商法283条)の方法が、大きく変りました。従来は、官報又は新聞に公告するように規定されていました。それが今回の改正では、自社のホームページによるインターネット公開が認められるようになりました。

@この改正の目的
(1)
高度情報化社会に充分対応できるようにするため、電磁的方法により計算書類の公開と費用負担の軽減が、この改正の目的です。その代わり貸借対照表の全文の掲載が義務付けられています。
(2)
旧商法では、公告のためのスペースの確保の問題や、掲載料金の問題がありました。ホームページでは、上記の問題が生じなくなります。さらに株式会社の計算情報のディスクロージャーを充実させる政策が、この改正法の大きな目的です。


A改正公開制度の概要
イ.
ホームページに自社の貸借対照表(要旨ではなく全文)を掲載することになっています。
ロ.
ホームページのアドレスを商業登記をしなければなりません。
ハ.
掲載した計算書類は、5年間継続して掲載することが義務付けられます。
ニ.
公開する貸借対照表(損益計算書は除く)の様式は、商法施行規則に準じたものを掲載。
ホ.ホームページは、自社の作成したものでなくても良く、税理士事務所のホームページにアドレスを付してインターネットに公開しても良くなっています。
ヘ.ホームページのアドレスは、計算書類自体のアドレスです。計算書類が直接見られるか、「計算書類公開のページ」のような目次ページに直接つながる必要があります。


B今までの公告制度の実態
 従来は、定時総会の承認を得た計算書類のうち「貸借対照表又は、その要旨を公告する」こととされていました。公告は「官報又は時事に関する事項を、掲載する日刊新聞」に掲載する必要があることになっていました。
 又、公告しない場合は、100万円以下の過料に処するとされていました。
 しかし従来、商法のこの公告制度は強行規定ですが、行政庁はこの義務違反に対して制裁措置を発動していませんので、商法があっても違法状態が続いているのが現状です。前述した通り今回の改正で、公開義務違反で過料に課せられるケースも生じてくるものと思われます。一方、中小会社の情報開示は、ホームページにより公告費用が軽減されたことと、取引先や債権者に対してその取引の安全、保障を図るために、益々必要になってきています。