トピックス 2002年 8月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(229)
新株引受権の規定が、大幅に改正
(平成13年の商法改正)

 今回の商法改正は、新規企業を育成する見地から従来のストックオプションのための新株引受権、転換社債、新株引受権付社債等の規定は削除され、新株予約権(ストックオプション)、新株予約権付社債にまとめられました。この新株予約権に関する実務的対応と課税体系が、この改正で明確になりました。
(イ)新株予約権(ストックオプション)の実務的対応
 ストックオプションの付与は、今までとは異なり、会社の取締役または使用人に会社業績向上のためと限定していましたが、子会社の関係者やコンサルタント等にも付与できる様になり、大幅に拡大されました。
 新株予約権の発行は、新株発行手続に準じ取締役会の決議が必要です。無償で付与されることも有りますので、この場合は、株主総会の特別決議も必要です。(商法280条の12)取締役会の決議事項は、下記の通りです。
 (1)新株予約権の割当を受ける者
    当社並びに当社子会社の取締役及び従業員
 (2)新株予約権の目的たる株式の総数及び数
    当社普通株式○○の株を総株式数の上限とする。
 (3)発行する新株予約権の総数 ○○○個
 (4)新株予約権の発行価額 無償とする。
 (5)新株予約権行使時に払込をなすべき金額(※)
 (6)新株予約権の権利行使期間
    平成○年○月○日から平成○年○月○日
 (7)新株予約権の行使条件(※)
 (8)新株予約権の消却事由及び条件(※)
 (9)新株予約権の譲渡制限
    新株予約権を、譲渡するには取締役会の承認を要する。
  (※)についての詳細は、各社の事情により詳細に記載します。
(ロ)自己株式の所有が、従来は禁止されていましたが、今回の商法改正で金庫株解禁として自己株の保有が取得目的、保有期間の制限も無しで認められます。
 その結果新株予約権制度に、活用可能になりました。また、自己株取得財源の改正で、取得価額総額が配当可能利益の限度内であれば、法定準備金の取崩によっても良くなっています。
(ハ)新株予約権の課税関係の明確化
 従来ストックオプションの課税は、一時所得か給与所得で、裁判で争われていますが、この改正と同時に明確になりました。税制適格ストックオプションでは、この権利行使時は、課税はされなく株式を取得し、その株式を譲渡した時点まで課税が繰延べられます。この株式の譲渡は、全て申告分離のみの適用です。権利行使による年間の株式の譲渡価額は1千万円から1千2百万円に拡大されています。
 譲渡した会社の課税ですが、権利付与時においても、経済的利益が確実に認識できませんので、所得税法上も課税されません。また、法人税法上でも役員賞与としての課税も生じないものと解されています。