トピックス 2004年 4月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(249)
新労働基準法に従った解雇について

 最近、中小企業の業務不振による解雇が多く見受けられます。そのため労働基準法で解雇について、解雇権を濫用する場合も生じている結果、基準法の第18条の2に次のように明記されました。〔平成16年1月1日より施行〕
 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
 この規定は、使用者は、労働者を解雇することができますが、一定の要件に該当しない場合はできないという規定です。
 その一定の要件とは何かというと、次の要件になります。

@普通解雇

労働契約の継続が困難である場合です。

(イ)労働能力が著しく劣悪で業務に耐えられない

(ロ)心身の故障等により正常に業務遂行が不能

(ハ)長期の病気等で欠勤を続け安定的労働が不能

A懲戒解雇

使用人の責めで、懲戒処分を受ける事由がある場合です。

B
整理解雇
経営危機により企業倒産を避けるための人員整理による解雇です。通常「リストラ」といっています。この場合、下記の4つの要件が検討されなければならないと規定されました。
第一は、会社経営上、危機に陥り、その存続を図るためにはどうしても人員整理が必要であるかどうかです。
第二は、「整理解雇の回避の努力」をしているかどうか?会社の経費節減、不要資産の売却、役員報酬の削減、残業規制、昇給停止、新規採用ストップ等実施後、希望退職者の募集、配置転換、出向その他の措置等の減員の努力をしているか、検討が必要です。
第三は、「整理手続きの適法性」です。労働者側との協議において、解雇の必要性・時期・規模・方法・解雇基準等について、労働組合等労働者側の理解と納得を得るための誠意ある努力をしたかどうか?
第四は、「対象者選定の合理性」です。解雇基準が客観的なものでも、常識的・社会的にも相当と認められるか、が検討課題になります。会社裁量の余地が多すぎると、実行段階で混乱を引き起こす場合もあるからです。
企業の「リストラ」には、上記4要件が明文化されましたので、経営者は充分注意する必要があります。

 また、基準法第22条の改正では、労働者が、解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、当該解雇の理由を記載した文書(退職理由証明書)の交付を請求した場合、使用者は遅滞なく交付しなければならない、と規定されましたので、用意する必要があります。