トピックス 2006年5月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(274)
「1人オーナー会社の役員報酬の給与所得控除額が、法人の所得に加算されます」


 新会社法導入と同時に、1人オーナーの会社の役員報酬の給与所得控除額が、法人の利益に加算し、法人税を計算しなければならない税制が、平成18年4月1日より開始する法人の事業年度から適用されます。但し、法人で役員報酬と法人利益と合算し、800万円以下の企業は除外されます。また、二つを合算し、平均額が800万円から3000万円以下で、オーナー報酬が50%以下であるときは、この法律は適用されません。この様に、税法が改正されたのは、新会社法が適用され、法人設立が簡単にできるようになったことと、個人経営と実態が変わらない会社と、公平感を持たせるための法律です。と説明されていますが、急激に高い法人税を中小零細企業が負担するのですから、完全に中小企業をいじめの税制です。
 具体的に説明がないと、この税制がどんなに過酷なものかを理解できませんので、『ダイヤモンド』の新会社法実践ガイドの51頁に記載されている図を、下記に掲載し解説いたします。
「『給与所得控除額の損金不算入』シミュレーション」の通り、法人の課税所得が5万円で社長(750万円)、奥様が(600万円)の役員報酬を取っていた例ですが、従来では法人税が1万5400円でよかったのが、社長と奥様の給与所得控除額が195万円と174万円と合わせ、374万円が課税所得になり、約114万円が増税になります。

 このいじめの税制に対処方法
(1)同族関係者等が発行済株式の総数が90%以上と、常務役員数が過半数以上ですと、この規定に該当しますので、10%以上を同族関係者以外の人に変更するか、役員の2分の1以上を社員等に就任するよう、組織変更する必要があります。現実問題このような変更もなかなか難しいと思います。
(2)直前の3年間が800万円以下(法人利益と役員給与の合算)であれば、適用除外となりますので、役員は1人取締役に変更し、役員給与を引下し、その分損金算入できる生命保険契約に加入するのも対処法です。
 以上方策がいろいろありますが、各企業に特別な事情があると思いますので、具体策は顧問税理士ご相談いただき、その善後策を講じる必要があります。