トピックス 2007年11月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(292)
中小企業の自社株取得の活用方法

 平成13年より、商法改正に伴い、自社株取得ができるようになりました。そのため特に、今年に入り大企業の自社株取得が目立ってきています。キャノンでは、総額4千5百億円も自社株購入に当てています。これは、自社株1株の利益を増加させることと、配当金の支払いも少なくなり、株式の需給の改善につながりますので、トヨタ、JFE等の大企業が購入し、株価の安定化を図っています。
 中小企業もその自社株取得により、次のような効果があります。
1.社員株主や知人名義の株式の購入
  従来の商法ですと、株式会社であると7人以上の株主を作らなければなりませんでした。そのため、社員株主や知人株主等より、会社資金で購入可能です。その場合注意すべきことは、株主総会で売却価額と株式数を記載し、承認議事録の作成と、額面価額以上で購入したときは、額面を超える場合、大体みなし配当の課税対象になります。それに対して20%の源泉税が譲渡した人に課税されますから注意してください。
2.相続税納税資金としての活用
 中小企業の経営者等が、相続資金に株式を、会社が資金があれば経営者の株を相続人から購入し、相続税の納付に役立たせることが可能です。この場合、額面価額以上の売却価額は、譲渡所得として課税扱いとなります。その取扱いを受ける場合は、相続人が相続税を納付する税額がなければなりません。そのため、税務署に相続のための株式の譲渡である旨の届出書を提出します。この場合はみなし配当の課税でなく、譲渡所得の取扱いとなり、50万円控除後の20%のみの分離課税のみで済みますので、この活用をお勧め致します。
3.資本金の減額となるため外形標準課税から逃れる場合も可能
 資本金が1億円以上の企業は、外形標準課税方式で事業税を算出しなければなりませんが、1億円未満ですとその計算方式を採用する必要がありません。自己株式を企業が購入したときは、改正会社法により資本金よりその購入額を控除することになりましたので、資本金が1億円を超えていても、自己株式の取得で1億円より減少していれば、外形標準課税の方式をとる必要がありません。 また、法人住民税の均等割の算出でも、資本金1千万円を超えている企業で、毎年住民税の均等割額を18万円支払っていたのが、1千万円を切ることになった結果、7万円に減少する場合もできます。
 自己株の価額の計算が、各企業の過去の成績如何によって複雑ですので、算定して有効に活用ください。