トピックス 2008年1月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(294)
共済制度の危機

 平成18年4月施行の保険業法の改正により、共済保険については、平成20年3月までに特定保険業者として届出が義務付けされています。現在389団体の共済保険業者がありますが、そのうち10団体くらいしか申請が提出されていないようです。
申請が提出されていない共済保険業者の9割は、廃業しなければならない危機に立たされています。
共済制度の意味
 共済制度とは、地域や職場内の範囲が特定された互助活動としての制度であり、保険会社とは性格が違うのが本来の姿です。現在では労働組合の互助活動から、全労済、都道府県民の県民共済、JAの主催するJA共済と共済掛金が、安いことと割戻しがあり、保険として有利だとのことで、契約件数、契約金額も増加しています。JA共済一社だけでも契約高は351兆円にもなり、加入者も約1500万人位になっております。日本生命の1300万人以上に大きくなっているのが現状です。しかし、この4月以降は、次のような点で注意する必要が生じてきました。

@ 届出のみの無認可共済のため、共済難民に平成20年4月よりなります。
認可申請が3月まで金融庁に提出されない場合は、その共済は自主廃業か少額短期保険会社かに転換しなければならなくなります。共済加入者は共済難民となる可能性があります。
A 逆ザヤ現象が長期間になっていますので、保険契約の保障ができるか、安全性の点でリスクがあります。
共済経営は共済自体の自主的運営であり、経営者の都合の良い経営になっており、諸団体の保障は原則として義務付けされていません。割戻しは予定利率は3%位で、実質運用利回りが1.8%位ですから、新規加入者が増加していかなければ共済自体の運営が困難になるはずです。生命共済などは加入者が高齢化している結果、掛金が一律ですと共済金(保険金)の支払が多くなり、安全性の点で疑問視される点です。
B 危ない共済加入に注意。
国民の2人に1人は何らかの共済に加入しています。平成8年の時のオレンジ共済事件の如く悪用したケースも、ただ届出のみのため多発しています。その結果、保険業法の改正の必要性があり、金融庁の審査を持ってこの3月までに認可取得しなければならなくなった理由です。そこで、加入している現在の共済制度が、認可の申請を出しているかどうかの確認をする必要があります。 共済が保険会社組織になりますと、全国で各共済の廃業が続出する危険が生じています。会社組織になりますと、人件費が増加し、採算が取れなくなり、自主廃業か他の保険会社に吸収されると予想しています。
共済制度自身も保険会社と同様の法令遵守(コンプライアンス)が重視される時代になりました。