トピックス 2008年2月号


「エムケーシー経営者だより」
リスクマネジメントシリーズ(295)
パートタイム労働法の改正により、次の事項が今年4月1日より義務化されます。

 @経営者は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、速やかに「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」を、文書の交付等により明示しなければならない(第6条)。これに違反した場合は、10万円以下の過料に処する。となっています。
 A事業主は、@の3つの事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努力するものとすることになりました。
 上記の如く事業主に義務化されましたので、当事務所でもそれに対応するように、労働条件を明示する通知書を作成しましたので、ご利用ください。
 その通知書の中に、労働条件として必要とされる「契約期間」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業、終業の時刻や所定時間外労働の有無、休日、休暇」「賃金」等が明示されています。これらが義務化されましたことは、事業主にとっては、経営が苦しくなっている折りに更に追い打ちをかけられた制度だと思います。
 Bパートタイム労働者であっても、自由に解雇はできません。
 一部の経営者の方には、「パートタイム労働者は、いつでも解雇できる」という誤解があるようですが、パートであっても自由に解雇できなくなりました。
 労働基準法の18条の2が適用されますので、通常の雇用者と同等に扱われるようになりました。この条文では、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして、その解雇は無効となってしまいます。また、雇用期間の定めがあったとしても、契約の更新を繰り返し、事実上期間の定めない雇用契約と同じ様な状況になっている場合においても、同様の取扱いです。
 また、以下の解雇は、法律上禁止されていますので、御注意ください。

イ. 労働災害で、療養中の期間とその後30日間にする解雇
ロ. 産前産後休業中と、その後の30日間にする解雇
ハ. 女性の婚姻、妊娠、出産、産前産後休業の取得、均等法による母性保護措置や労働基準法による母性保護措置を受けたことなどを理由とする解雇
ニ. 育児、介護休業や子の看護休暇の申し出、取得を理由とする解雇
ホ. 解雇の予告
パートタイム労働者の解雇も通常の労働者と同様です。少なくとも30日前にその通知を出さなければなりません。30日前に予告できない事業主は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
へ. パート労働者に、退職時の証明書の交付を請求された場合は、労働基準法に基づき、@使用期間、A業務の種類、Bその事業における地位、C賃金、D退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)等を記載した証明書を、交付しなければなりません。
〈参考〉労働基準法第18条の2(解雇)
 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると、認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 以上、パート労働法のこの改正は、通常労働者と同様に取引がなされる様になったということを、経営者の方で認識することが肝要です。